【陸上長距離】遅筋の特性【分かりやす過ぎる生理学】

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photo by James Butler(CC-BY SA)

 

筋肉は、大きく分けると遅筋と速筋がある。

それぞれの特徴を例えると、遅筋はサラリーマンで、速筋はウルトラマンであるということを以前書いた。(これだけ読むと意味不明)

【分かりやす過ぎる生理学】速筋と遅筋の違い

今回は長距離ランナーが知っておくべき遅筋の特徴について、前回同様分かりやすく(?)例を交えて説明します。

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サラリーマンが腑抜けになるとき

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photo by pakutaso

日本の経済を支えるため、日夜働き続けるサラリーマン。

しかし年に一度ある時期を経験すると、それまで持っていたモチベーションを失い、腑抜けになってしまうサラリーマンが続出する。

 

そう、五月病だ。

 

ゴールデンウィークにより一旦仕事から離れると、その休んでいる状況に心と身体が慣れてしまい、再び働くのが億劫になってしまうのだ。

働きたくないよぉ・・・!!

サラリーマンの心の声が聞こえるようだ。

 

【解説】

遅筋は日常生活の中で活躍する筋肉であり、それだけ日々の中での運動刺激に慣れている筋肉だとも言える。そのためか、遅筋は“不活動による影響を受けやすい”という特徴がある。

例えば、宇宙飛行士が宇宙空間で滞在する前後の筋肉量を測定すると、速筋はさほど変わらないが、遅筋は筋肉力の低下が著しいそうだ。

このことを踏まえると、遅筋の持久力を維持するためには適切な刺激を与え続ける必要があると言える。

※ちなみに、速筋を強化したい場合、もっとも効率のよいトレーニング頻度は週に2回と言われている。

 

長距離選手が毎日走る理由

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photo by Dafne Cholet(CC-BY SA)

長距離選手は週に2〜3回のポイント練習を行い、それ以外の日はジョグを行うのが一般的だ。

ポイント練習をつなぐジョグの目的の一つとして、

「トレーニング頻度を保つことで遅筋の持久力を維持する」

ことが挙げられる。

「ポイント練習だけやっていれば速くなれるだろう。ジョグとかやって意味あるの?」

なんて考えていた時期が僕にもあったが、遅筋と速筋の性格の違いを知れば、この考えが如何に的外れであるかがお分かりいただけるだろう。

 

運動歴と練習頻度

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photo by Jason Hill(CC-BY SA)

練習を毎日欠かさず行うことの重要度は、個人の運動歴によって異なると僕は考えている。

例えば。

いままで全く運動を行っていなかった人が週1回のランニングを始めたとすれば、きっとそれだけで持久力は向上していくだろう。

なぜなら、初心者の身体は「ランニングをしていない状態」に慣れ切っており、それ以上の刺激を少し与えるだけで筋肉(遅筋)にとって十分なストレスとなるからだ。

「遅筋を鍛えるには練習頻度が重要」という本文の内容と矛盾するようで申し訳ないが、初心者がいきなり毎日数十分のランニングを始めることはおすすめしない。

一方で、陸上歴が長くなればなるほど身体は運動刺激に慣れ、身体が消化できる練習量も増えていく。

数ヶ月も真面目に練習を行っていれば、自然と(ほぼ)毎日トレーニングを行うことができるようになるだろう。

この延長線上に、朝練は存在する。

「走行距離を増やせば速くなれる」と勘違いしているあなたへ【朝練不要論】

練習に身体が慣れ、自然に練習量が増えていき、「毎日1部練では物足りないな」と思った時にこそ朝練は始めるべきだ。

ニワトリが先か、卵が先かというような話になるが(なるのか?)、朝練に関して言えば練習量に物足りなさを感じるという「原因」が先で、それに応じて朝練を始めるという「結果」が導かれるべきだと思う。

鶏が先か、卵が先か|Wikipedia 

まとめ

遅筋は不活動による影響を受けやすい筋肉だ。

遅筋の持久力を維持・増進していくには、競技力が高まるほど、ジョグをきちんと継続できるかが鍵となる。

ポイント練習を重視する選手は多いが、長距離の記録を伸ばすために最も重要なことは、ひょっとすると”ポイント練習以外で如何にジョグを継続できるか”というところにあるのかもしれない。