
こんにちは、ななです。
引き続き、ドバイ空港から、アンナプルナベースキャンプの話をお送りします。
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アンナプルナベースキャンプトレッキング4日目
トレッキング開始から3日目は、ゴレパニからシヌワへいきました。
4日目からはいよいよ、アンナプルナベースキャンプがより近づいてきます。
ゴレパニからシヌワまでの道のりで なぜか一度標高が500mほど下ってしまったので、
その分を再度登り直しながら
「登ったり下ったりで、まるで人生みたいだね。」
って一緒に登っていたお姉さんに言ったら、
「今しんどいから話しかけないでっ」
と言われました。
そんなこんなで時々険悪な雰囲気になりかけながら歩き続け、ようやくABCの一個手前の宿泊地点まできました。
ここの標高がおよそ3000m。5日目は、ここから一気に4130mまで上がります。
ちなみに、標高3000m超えたあたりだと夜の気温は氷点下5〜10℃ほどになります。
この日洗って干しておいた衣服類を5日目の朝とりこもうとしたら、もれなく凍り付いていました。
つらい。涙
おかげで、汗臭いTシャツと、臭すぎてもはや地獄みたいになっている靴下をもう一度着衣するはめになりました。
ただ、体力的には、割と平気です。僕の荷物は15kgをゆうにこえていたのですが、もともと陸上部だったかいあってか、
まだまだ余裕がありました。
よし、このまま一気にABCまで登頂するぞ!!

ぼくは意気込みながら、登頂を果たす予定日である5日目、もりもりと雪道を登っていきました。
40ドルのアイゼンのおかげで滑ることなく、すいすいのぼっていくことができます。


なんだ、やっぱり余裕じゃん!
ABC、きついって聞いてたけど大したことなかったな。
この時はまだ、そう思っていました。
ABCのちょこっと手前にある、MBCというチェックポイントにも2時間ほどで難なく到着。(標高3500mあたり)
ここでもまだ、余裕がありました。
しかし、

MBCからABCを目指しざっくざっくと歩いていると、
少しずつ、
自分の身体に異変が起こり始めました。
・・・あれ?
なんだか、頭からきーんって音がする。
それになんとなく、めまいがしてきたような。
ま、まさか、これが噂に聞く高山病・・・?
ばかな!ありえない。
これまで余裕だったじゃないか。陸上で鍛えたはずじゃないか。
おれは1500mを4分1桁で走る男だぞ。
そうだ、ただの勘違いだ。
気持ちでまけるな、俺!
そう言い聞かせながら、とうとう、アンナプルナベースキャンプに到着しました。

やった!ついに登頂したぞ!
こころではそう思いました。
しかし、喜ぶ元気がありません。
頭いてえ。
めまいやべえ。
吐き気もする。
そういえば、動悸も。
もはや、自分が高山病になっていることに疑いの余地はありませんでした。
そんな僕とは対照的に、テンション高めな素敵お姉さん。飛び跳ねながら登頂を喜んでいます。
立っているのが必死だった僕には、にわかに信じがたい光景でした。
高山病には個人差があるとは聞いていましたが、これほどまでとは。
ABCに着き宿で休んでいたところ、
姉さんに「一緒に写真とろうよっ!」と叩き起こされました。
高山病になっていることを悟られないよう冷や汗をかきながら、カメラを持って外へ出ました。

女の子がこんなに元気そうにしているのに、僕が高山病にかかってるなんて、そんなダサい話があるか。
そう思って元気なふりをしていましたが、
写真撮影から宿に帰ってきたところでとうとうダウン。
もう無理、頭割れそう。
僕はなさけなく机に突っ伏しながら、
お姉さんに打ち明けました。
「ごめん、おれ、ちょっと体調わるいかもしれない」
「えー!だっさ!」
なんてことは姉さんは決して言わず、
すぐさま高山病の薬を飲ませてくれ、ちょうど居合わせていたガイドさんなどに高山病の対処法など聞いてくれたり、自分の寝袋を僕の身体にまいてくれました。
幸い、姉さんの処置の甲斐あって数時間後には体調は回復し、大事を逃れました。
たかだか4000mと甘く見ていましたが、今回の経験から、山って舐めたらだめだな、と思いました。
そしてなにより、あの時すごく僕のことを心配してくれ、看病してくれた姉さんには感謝の気持ちでいっぱいです。

ありがとう、お姉さん!

体調がよくなったおかげで、ABCからの夕焼けも見ることができました。
アンナプルナベースキャンプからの星空
夜になりました。
僕はカバンの中にあった防寒着をすべて着て、一人天体観測へ出かけました。
ABCにはいくつか宿があり、それらが放つ光が、せっかくの星空を邪魔しています。宿の光をカメラから遠ざけるため、僕は懐中電灯を持って暗闇の中へと入っていきました。
ざく、ざく
ざく、ざく
あたりは風一つなく、また一面雪におおわれているので、葉っぱがこすれる音など一切ありません。
聴こえるのは、自分の足音のみです。
ABCの宿から500mほど離れたところまで歩き、そこに三脚をたて、写真撮影を行いました。



この撮影のためにはレンズを30秒間解放しなければならないのですが、
その間も、あたりからはまったく音がしません。
四方を8000m級の山々に囲まれ、あたりには音も光もなく、標高は4000mを越えています。
もし帰る宿を見失ってしまったら、僕の命なんて風前の灯火のようなものだろうな。。
写真撮影を行いながら、不意に、そのことに気付きました。
そしたら、急にその場にいるのが恐ろしくてたまらなくなりました。
いままで守られた環境に命をおいていて、突然その命が丸裸にされたような気持ちになりました。
こわい、こわい、こわい、こわい!!!
急にざわめきだした心は、なかなか落ち着きません。
今すぐに宿へ帰りたい気持ちを必死に抑え、
星空の撮影を続けました。
すると・・・

これで最後と思い撮影した写真の中に、一筋の流れ星が写り込みました。
僕も、直接この目で確認しました。
とても大きなほうき星でした。
僕は、写真に写った流れ星に向かって3回お願いごとを唱えたあと、
不思議と落ち着いた気持ちで、
ゆっくりと、宿に戻ったのでした。
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