こんにちは、ななです。
長距離ランナーのパフォーマンスを決める要因は大きく分けて3つ。
- 最大酸素摂取量
- 乳酸性作業閾値
- ランニングエコノミー
成人以上の鍛錬者の場合、最大酸素摂取量はほぼ向上しないため、乳酸性作業閾値とランニングエコノミーを改善することが、パフォーマンス向上には欠かせません。
一方で、ランニングエコノミーを向上させる方法はあまり知られておらず、イマイチ取り組み方がイメージしづらい方が多いのではないでしょうか?
そこで今回は、ランニングエコノミーを改善する方法として、縄跳びをご紹介します。
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もくじ
そもそもランニングエコノミーとは?
ランニングエコノミーとは、簡単に言うとランニング効率のことです。
走速度あたりの酸素摂取量でもとめることができ、走速度あたりの酸素摂取量が少ない方が「ランニングエコノミーが高い」ことになります。
車でいうところの「燃費」ですね。限られた燃料で、どれだけ効率よく走れるかというイメージ。
長距離ランナーが目指すべきはスポーツカーでなく、トヨタのプリウスです。
ランニングエコノミーを改善・向上させる方法
ランニングエコノミーを改善する上で特に重要なのは2点。
- 下腿の腱の弾性を利用する技術
- 筋力発揮を最適なタイミングで、ムラなく、瞬間的に行う技術
これらの技術を体得・改善する方法としては、プライオメトリックス・トレーニングが有名です。
プライオメトリクスとは、簡単に言うと、素早いエクセントリックな筋活動の直後にコンセントリックな筋活動が行われると(ストレッチ・ショートニング・サイクルと呼ばれる)、コンセントリック筋活動だけの時よりも短時間でより大きな筋力が発生しやすいという性質を利用して、連続ジャンプや高いところから飛び降りてすぐにジャンプするといったエクササイズの方法を用いることにより、そうした筋力発生の能力を高めようとするものです。
意味わかりました?
つまり、マサイ族のジャンプがそれにあたります。
長距離種目ではケニア人選手が無類の強さを誇りますが、その秘訣はマサイ・ジャンプにあるのかもしれませんね。
ランニングエコノミー向上を目的としたトレーニングとして、縄跳びを勧める理由
プライオメトリックス・トレーニングとしてはボックスジャンプやバウンディングなどが有名ですが、長距離選手が行うのは縄跳びが最適だと思います。
僕が縄跳びを勧める理由は、大きく分けて3つ。
非常に手軽である
日本人であれば、誰もが縄跳びをしたことがあるでしょう。
縄跳びがご家庭にあるという人も多いでしょうし、前回し跳びくらいは基本的には誰でもできると思います。
新しいトレーニングに取り組む上で、心理的障壁が低いということは重要です。
故障のリスクが高くない
プライオメトリックスは筋肉にかかる負荷が大きく、生半可な筋力・知識で安易に取り組むと即故障につながります。
その点、縄跳びの負荷はそれほど大きくありません。
もちろんやりすぎは禁物ですが、長距離選手がまず取り組んでみるプライオメトリックストレーニングとして最適です。
下腿の筋力アップにつながる
ジャンプ・着地・ジャンプ・着地・・・という反復運動は、実はかなり下肢筋群を使います。
継続して行えば、下肢の基礎的な筋群を鍛えることができるでしょう。
その後、本格的なプライオメトリックス運動に取り組む際にも、縄跳びで鍛えた筋群が故障を予防してくれる役割を果たします。
縄跳びの方法
まわし方
方法は、通常の前回し跳びでよいでしょう。
※動画はイメージです
二重跳びでもよいですが、跳ぶことより縄跳びを回すことに疲れてしまうので、あまりおすすめしません。
時間
5〜30分程度。取り組み始めはあまり無理をせず、1ヶ月ほどかけて継続時間を延ばしていきましょう。
また、本練習で疲れている時などは短時間で良いと思います。
リズム
ランニングのリズムに近い方がよいです。心地よいリズムで、テンポよく行いましょう。
路面
できれば土などの、固すぎない路面で行ってください。
コンクリート上で行う場合は、故障しないよう強度を加減してください。
縄跳びを選ぶ
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僕はこの縄跳びを使っていました。
軽くて回しやすく、値段も手頃なのでおすすめです。
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値段は若干上がりますが、ベアリング付きで非常に回しやすいのが魅力。
どちらでも大きな差はありません。
大切なのは、やるかやらないか。
「というか、そもそもランニングエコノミーってそう簡単に改善できるもんなの?」
いい質問ですね。本気で速くなりたい人にとっては、ここが一番気になるところだと思います。
その答えについては、こちらの記事を引用させていただきます。
2003年のある研究では、初心者ランナーにプライオメトリクス・トレーニングを6週間にわたって施したところ、1マイル10分から7分30秒の間におけるランニングエコノミー、平均2.3%の改善が見られたとしています。一方何も施さなかったグループでは、ランニングエコノミーにおける変化は見られなかったとのこと。
(中略)
2006年エリートランナーに9週間のプライオメトリクス・トレーニングを施した研究では、1マイル5分20秒ペースにおけるランニングエコノミーを4.1%改善できたという結果が出されています。しかし、彼らの最大酸素摂取量、つまり心臓や血管などには変化は見られず、筋肉における効果があったということを示しています。このことから、同じ有酸素系の能力を持っているランナーでも、プライオメトリクス・トレーニングを行ったランナーのほうがより速く走ることができるということが分かるでしょう。
ランニングエコノミーは比較的容易に改善できるということが、お分りいただけたでしょうか。
「最近、走っても走っても記録が伸びない・・・」
と悩んでいる人こそ、縄跳びをはじめてみるべきです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
長年競技に取り組んでいると、だんだん競技力が伸びなくなってしまい、「これが自分の限界なのか・・」と思い悩むこともあるでしょう。
しかし、競技力を伸ばす方法は一つではありません。新たな取り組みをはじめることで、案外あっさり自己ベストを更新してしまったりするものです。
今まさに伸び悩み苦しんでいる人は、縄跳びを始めてみると、世界が開けるかもしれませんよ。
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