【超具体的】マラソンでサブスリーを達成するペース配分【夢の三時間切り】

 

「マラソンでサブスリーを達成する」

 

一般のランナーにとって、サブスリーは夢の記録として語られることが多いようです。

しかし、サブスリーを達成したいなぁ〜と思っていても、具体的にどうしたら3時間を切れるのかっていまいち想像がつかないですよね。

ということで今回は、サブスリーを達成するには具体的にどのくらいのペースで走ればいいのか、考察してみます。

それでは、いってみましょう。

サブスリーを達成するためのイーブンペース

42,195kmを3時間で走り切るというのは、1kmあたりどのくらいのペースになるのでしょうか。

計算してみたところ、4分16秒/kmで走り続けられれば、ちょうど3時間でフィニッシュできるようです。

つまり、3時間を切る場合はこれより早いペースで走らないといけないわけですね。

 

キロあたりのペースを算出するには?

ちなみに、マラソンの目標タイムのキロあたりのペースを算出する計算式は

目標タイム(分)÷ 42.195(km) = キロあたりのタイム。この小数点以降を省いたのが”分”

キロあたりのタイムの小数点第一位以降 × 60 = キロあたりのタイムの”秒”

このように算出することができます。(もっといい算出方法を知ってる人いたら教えて下さい。)

つまりマラソンの目標タイムを3時間とした場合、

180分 ÷ 42.195km = 4.26590828…(分)

0.26590828… × 60 = 15.9544968… ≒ 16(秒)

このようにして、4分16秒がキロあたりのタイム、という風に算出できます。

 

サブスリーを達成する、具体的なレース展開

さて、キロあたりのタイムが分かったところで、具体的なレース展開を考えてみましょう。

今回のレース展開の計算は、コースはほぼフラットであるという仮定に基づいて行います。

 

スタート0~20km

40km以上におよぶ距離をイーブンペースで走り切る、あるいは後半ビルドアップしていく、というのは現実的に厳しいです。後半のペースダウンを考慮し、前半のペースは4分16秒より速いペースで走る必要があるでしょう。

とはいえ、「じゃあ前半3分30秒で入ればいいのか」というと、それでは速すぎて後半きつくなってしまいます。

つまり、4分16秒より速いけど速すぎないペースで前半を刻めればいいかなと思います。

具体的には、3分50秒〜4分00秒の間くらいですかね。

※2016年12月20日 追記
サブスリーの達成を目指す場合、マラソンの前半20kmは4分-4分10秒/km(つまり4分を切らないペース)で走り、後半の失速を抑えた方が合理的ではないか?と意見をいただきました。確かに、前半無理にランニングペースを上げると重要なエネルギー源である糖を消費してしまい、後半の失速につながる可能性があります。4分/kmより早いペースで走らなくてもサブスリーは達成できますので、「3分50秒/km」というペースに固執する必要はありません。

 

20km~30km

前半淡々と4分切りを刻んだことで、3時間切りペースに対して6~7分の貯金をつくることに成功しました。

しかし、きついのはここからです。前半は快調に動いていた足も、20kmをこえたあたりから次第に重くなり始め、なんとなく顎もあがってきます。

ペースに関しては、ここでいったん3時間切りのイーブンペースまで落として下さい。つまり、4分10秒〜20秒の間くらいでペースを刻むようにして下さい。

とはいっても、20kmまで4分切りで刻んできて、20kmこえた途端に4分10秒にペースを落とす、なんて効率の悪いことをするわけではありません。

15km~25kmあたりで、身体の状態に合わせて徐々にペースを落としていくのです。もしこれよりもっと早い段階で身体がきつくなってしまったら、無理をせずにペースを落として下さい。

マラソンは根性では走りきれません。身体に貯蔵されているエネルギーを如何に節約するか、が一番重要なのです。

 

30km~40km

さあ、いよいよ30kmを越えました。ゴールまで残り10km足らずです。貯金はまだ6分くらいあるし、このままゴールすれば夢の3時間切りだ!!

・・・なんて、簡単にはいかないのがマラソンです。

皆さんは、30kmの壁、という言葉を聞いたことがありますか?

フルマラソンを走った多くのランナーが、“30kmに壁がある”と言う。

実はこれには、上記した糖質の枯渇が関係している。

筋肉内に蓄えられる糖質には限りがあり、ちょうど30km走ったあたりで糖質が枯渇し、疲労困憊になってしまうのだ。(糖質の貯蔵量はおよそ1500~2000kcalと言われている)

ランナーの間で広く知られる“グリコーゲンローディング”はその点に着目し、マラソンなどの3日前から糖質を多く摂取することで、試合中のエネルギー切れを防ごうというものである。

引用:練習後の疲労状態から1秒でも早く回復するための方法|nana’s escapism

 

僕たちが運動をするときにもっとも重要な働きを果たしているのが糖質。

これが、マラソンで30kmを越えたあたりで枯渇しちゃうわけですね。そうなるともう、どうにもなりません。呼吸が苦しいわけではないのに足が動かない状態になります。

先ほども言いましたが、これは根性でどうこうなる問題ではないんです。ガソリンが尽きた車が走れなくなるのと同じように、糖質が切れた人間は全快の時のように走れなくなってしまいます。

とはいっても、車のように完全停止するわけではないのが人間たる所以。

ここまできたら、あとはもう、無理をしすぎない範囲で、1km1km落ちてゆくペースを受け入れながら、淡々と走るしかありません。

ここで一番してほしくないのが、ペースを落とすまいと無理をしすぎること。

ここで無理をすれば、35kmを越えてから地獄をみます。何度でもいいますが、マラソンは根性では語れません。

とにかくここは我慢して、貯金を食いつぶさない程度のペースで耐え忍びましょう。

具体的には、キロあたり4分30~50秒のペースで。これ以上遅くなってしまうと、3時間切りが不可能になります。

 

40km~ゴール

のこり2kmと200m。

ここまできたら、もう糖質がどうとか考えなくて大丈夫です。

呼吸が乱れようが、足が動かなかろうが、とにかくもがいて下さい。

3時間切りはすぐそこです。

 

ゴールタイム

ということで、マラソンの具体的なペースを計算してみました。

0~20kmを3分50~40秒/km

20~30kmを4分~4分10~20秒/km

30~40kmを4分30~50秒/km

40km~ゴールは4分/kmくらい?

で、ゴールタイムは2時間58分くらいになるかと思います。

 

ペース配分は分かった。じゃあ、どうすればそれ相応の実力をつけられるのか教えてくれ!!

そんなニーズにお答えするための記事を、これから書いていきたいと思います。

僕が過去に書いた”速くなるための秘訣コラム”がありますので、まだ読んでいない人は一度読んでみて下さい。

【陸上】長距離選手が自己ベストを更新するために意識するべきたった一つのこと

【陸上】練習後の疲労から1秒でも早く回復するための方法

【陸上長距離】コンクリート上での練習を絶対に避けるべき理由

【陸上】速筋と遅筋の違いと役割【分かりやす過ぎる生理学】

【陸上】インターバルトレーニングは”特効薬”にも”毒”にもなる