サブスリーの具体的なペース配分についての記事を先日書きました。
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サブスリーを達成できるかどうかは、最初の20kmを4分前後/kmで無理なく走れ、かつ後半も4分40秒/km程度で踏みとどまれるかにかかっています。
じゃあ4分/kmのペースで無理なく走れるようになるには、そして後半の失速をできるだけ抑えられるようになるには、どうしたらいいの?
その答えは、ランナーによって違います。
トレーニング歴が1年未満の人と10年以上の人とでは同じ練習をしたとしても効果は違ったものになるでしょうし、
年齢でいっても10代の大学生と中年ランナーでは故障のしやすさ、疲労の抜けやすさが大きく異なります。
そこで今回は、
年齢30~50歳、ランニング歴3年以上でマラソンを複数回経験し、次こそサブスリーを達成したい!と熱意に燃えるランナーのためのトレーニング方法を考えていきます。
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もくじ
マラソンで3時間20分を切れるランナーが持っている実力
マラソンでサブスリーを目指す人は、
・4分台/kmでの10~15kmのペース走を抵抗なく行える
・20km程度のジョギングはある程度余裕を持って行える
くらいの実力はすでにあると思います。
そんな選手が、サブスリーを達成するのに足りていない要素はなんなのでしょうか?
改善すべき課題は人によって異なる

Photo by Ashley Coombs(CC-BY SA)
サブスリーを達成するために足りていない要素は、選手のタイプによって異なります。
タイプは3つに分けられます。
スピードタイプ、体力タイプ、平均タイプ
【スピードタイプ】
マラソンの前半はキロ3分50秒で楽に走れるんだけど、後半の失速が著しい人がスピードタイプにあたります。
→このタイプの人は、スピードは十分ですが体力が足りていないことが課題です。
【体力タイプ】
マラソンの後半それほど大きく失速しないけど、キロ3分50秒で走るのがきつく感じる人が体力タイプにあたります。
→このタイプの人は、体力は十分ですがスピードが足りていないことが課題です。
【平均タイプ】
マラソンの前半、キロ3分50秒がそこそこきつく感じられて、かつ後半の失速もそこそこな人はこのタイプです。
→このタイプの人は体力、スピードともにほどほど。両方ともバランスよく改善する必要があります。
それでは次に、各タイプがどんな課題をもっていて、またそれをどう克服すればよいのか解説していきます。
各タイプごとの課題の克服方法

Photo by DAVID MELCHOR DIAZ(CC-BY SA)
「スピードタイプ」の課題と、その克服方法
スピードタイプのランナーは筋肉がどちらかといえば短距離寄りで、ペース走よりインターバルトレーニングが得意で、ポイント練習後の疲労が抜けにくいという特徴があります。
そんな選手は、課題である”後半の失速”をなんとかするために「苦手なペース走を頑張ってやって、苦手を克服しよう!」と考えがちですが、多くの場合、この試みは失敗に終わります。(理由はまたいつか書きます。)
じゃあスピードタイプのランナーがすべきことはなにかというと、
得意なインターバルトレーニングを積極的に行う。
陸上に限らず、自分の苦手なことをやるより、得意なことをやったほうが成績は伸びやすいです。しかも得意なことを伸ばすと、それにつられて苦手なこともいつの間にかできるようになったりします。
インターバルはスピード改善のトレーニングと思われがちですが、同時に持久力を高めることもできるのです。
関連 【陸上長距離】インターバルトレーニングは”特効薬”にも”毒”にもなる
実は僕はスピードタイプのランナーだったのですが、インターバルとビルドアップトレーニングを中心に練習メニューを組み立てるようにしたところ、長距離種目の自己ベストを簡単に更新できました。逆にペース走ばかりしていた頃はまったく記録を伸ばせませんでした。
スピードタイプの練習の流れ
インターバルトレーニング(1000m×3~5本、rest: 400~800m jog)を週1回行って持ち前のスピードに磨きをかけつつ、あわせて10~15kmのビルドアップも週1回行い、スピードを持久力に繋げていきましょう。ポイント練習以外の日は、キロ6~8分のジョグ(または自転車)を30~90分行い、最後に1~3本100mの流しをしましょう。流しをする際は肩の力を抜き、フォームを整えることを意識しましょう。
具体的な一週間のトレーニングの流れ
月 ジョグ、または自転車 30分
火 インターバルトレーニング
水 ジョグ、または自転車 30分
木 ジョグ、または自転車 60分
金 ジョグ、または自転車 40分
土 ビルドアップ
日 完全休養
「体力タイプ」の課題と、その克服方法
体力タイプのランナーは筋肉の中の遅筋の割合が多く、インターバルなどのスピードが求められる練習は苦手な代わりに、ペース走が得意で、かつポイント練習後の疲労状態から比較的早く回復できるという特徴があります。
このタイプの選手は、持ち前の遅筋をさらに強くするようなトレーニングを積極的に行いましょう。
スピードタイプの人はインターバルトレーニングを推奨しましたが、体力タイプの人はあまりインターバルトレーニングを行わなくていいと思います。
その代わりに、ペースジョグ(ジョグとペース走の間の速度でおこなう練習。4分半~5分/kmくらいのペース)を積極的に行い、そこで培った体力をビルドアップトレーニングによってスピードに繋げ、課題であるスピードを克服していきましょう。
体力タイプの練習の流れ
ペースジョグは週1回、4分半~5分/kmほどで10~15km走り体力に磨きをかけつつ、10~15kmのビルドアップも週1回行い、持久力をスピードに繋げていきましょう。ポイント練習以外の日は、キロ6~8分のジョグ(または自転車)を30~90分行い、最後に100mの流しを1~3本行いましょう。流しをする際は肩の力を抜き、フォームを整えることを意識しましょう。
具体的なトレーニングの流れ
月 ジョグ、または自転車 30分
火 ペースジョグ
水 ジョグ、または自転車 30分
木 ジョグ、または自転車 60分
金 ジョグ、または自転車 40分
土 ビルドアップ
日 完全休養
「平均タイプ」の課題と、その克服方法
平均タイプのランナーは、スピードタイプと体力タイプのちょうど中間の特徴をもっています。
どんな練習メニューもそつなくこなせて、かつその効果も幅広く享受できるため、スピードタイプと体力タイプの練習メニューを交互に行うようにしてください。
練習場所について

ここまでは具体的な練習方法について説明してきましたが、実は練習メニューなんかより、練習を行う場所にこそ気をつかってほしいです。
というか、僕の提案通りの場所で練習してくれさえすれば、サブスリーなんて半分は達成したようなものです。
では、どんな場所で練習してほしいのかというと、
芝生 or ウッドチップ
このどちらかです。これより固い路面での練習は月間10km未満にしてください。間違っても、コンクリートの上でインターバル走なんてしないでください。
理由はここに書いてあります。→【陸上長距離】コンクリート上での練習を絶対に避けるべき理由
世界最高峰の長距離ランナーの指導者として知られるアルベルト・サラザール氏も、柔らかい路面で走ることを強く推奨しています。
地面(土、芝など)を走ることを忘れてはいけません。私の選手は、90%を柔らかいサーフェイスの上でトレーニングを行います。これは、関節、靭帯、筋肉のために非常に重要なことです。
ただでさえ怪我をしやすい中年ランナーが、コンクリートの上を走ったらどうなるか。考えたらすぐに分かるでしょう。
「いやぁ、先月走り込んだら怪我しちゃったよ。」
それは決して美談ではありません。
故障しがちな人へおすすめな、”自転車トレーニング”

Photo by James Jardine(CC-BY SA)
上記した具体的な練習の流れの中に「ジョグ、または自転車」と書きました。
自転車トレーニングを行ったことのある人はいますか?
自転車はランニングと違って路面からの衝撃がない分、故障のリスクが非常に少ないです。怪我をしやすく、かつ時間のない中年ランナーは、自転車トレーニングを導入することで練習観が変わるかもしれません。
ジョグと自転車では効果が全然違うんじゃないの?と思った方へ
自転車トレーニングをして、果たしてマラソンのタイムは伸びるのだろうか。 そう考える人もいるでしょう。
僕も以前は、自転車でのトレーニングがランニングにどこまで効果があるのか、疑問に思っていました。
[amazonjs asin=”4797364416″ locale=”JP” tmpl=”Small” title=”毎日長い距離を走らなくてもマラソンは速くなる! 月間たった80㎞で2時間46分! 超効率的トレーニング法 (ソフトバンク新書)”]筑波大学の大学院でクロストレーニング(ランニング以外の種目のトレーニングを行うこと)について研究されていた方の著書。
自転車トレーニングをマラソン練習に取り入れて、実際にマラソンに挑んだ記録が綴られています。
練習に対する考えを変えてくれる良書です。
魔法の練習”ビルドアップトレーニング”
さて、お気づきの方も多いと思いますがスピードタイプ、体力タイプのどちらの練習メニューにもビルドアップトレーニングが組み込まれています。
今さらですが、僕はビルドアップトレーニングさえきちんとできれば、実力を伸ばすのは簡単だと思っています。
関連 【衝撃】ビルドアップ走の効果はまるで魔法。方法を詳しく解説します【ペース設定・距離】
↑詳しくはこちらの記事に書きました。興味がある方は是非。
競技力を高めるためにもっとも重要なことは、”疲労回復に着目すること”
トレーニングでいくら身体を追い込んでも、練習後の疲労回復をおろそかにすればかえって逆効果になります。
武井壮も疲れるんだなあ、と感じた1日だったけど、オレの特技はそっから誰よりも早く回復することだ。。。鍛えるより治す方が時間がかかるんだからよ。。そこを早めりゃ誰より早く辿り着く。。トレーニングの極意はそこにあるよな。。1番強くなるのは1番速く回復するヤツだ。。勝負は才能じゃねえ!
— 武井壮 (@sosotakei) 2015, 5月 25
武井壮さんのおっしゃるとおり、競技力向上にもっとも重要なことは、疲労からの回復に目を向けることです。
では、疲労回復を早めるためにはどうしたらいいのでしょうか?
当ブログでは運動直後のリカバリープロテイン摂取を推奨しています。
僕から言わせれば、運動直後に糖質・たんぱく質を摂取することはマスト。これをしないというのは、速くなるつもりがないのと同じだ。
練習後に飲むプロテインとしておすすめなのは、リカバリーに特化したもの。
各社さまざまなリカバリープロテインを製造しているが、それらの中で最もコスパに優れるのは、ウィダーのリカバリーパワープロテインだろう。
[amazonjs asin=”B00510YA6O” locale=”JP” title=”ウイダー リカバリーパワープロテイン ココア味 1.02kg”]ウイダー リカバリーパワープロテイン ココア味 1.02kg
このプロテインには、練習後に摂取すべき糖質・たんぱく質が十分に含まれている。
他のプロテインと比べて値段も安い。ウィダーの製品ということで、品質も保証されている。
ポイント練習を行う日は、練習場所にリカバリープロテインをザバスプロテインシェーカー (500ml)に入れて持っていこう。
練習後、これに水道水を注いで飲むだけで、運動後に必要な栄養素を素早く摂取することができる。
運動直後にたんぱく質と糖質を素早く摂取することは、超、超、超重要です。
「最近、練習の疲れがなかなか抜けないんだよなぁ・・」なんて悩んでいる人は、練習後プロテイン飲みましょう。
適切な栄養摂取も練習のうちですよ。
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